追いかけ質問とは? 会話が続く人がしている質問のしかた
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デートやアプリのやりとりで、質問はちゃんとしているのに、なぜか会話が続かない。 「次は何を聞こう」と考えているうちに、沈黙がきてしまう。 こういうご相談、本当によく聞きます。
会話が続く人がしているのは、質問の数を増やすことではありません。 相手の答えを受けて、もう一歩だけたずねることなんです。 心理学の研究では、こうした質問を follow-up question と呼びます。この記事では「追いかけ質問」と呼ぶことにします。 相手の話を受けた質問が多い人ほど、会話の相手から好かれやすかった、という研究もあります。
コツは、相手の答えの中から言葉を1つ拾うこと。それだけなんです。
追いかけ質問とは、相手の答えから次の質問をつくること
追いかけ質問の材料は、いつも「相手がいま話したこと」です。 たとえば、相手がこう話したとします。
週末は友だちと映画に行ってました
ここで返す質問は、大きく2つに分かれます。
- 「そうなんだ。お仕事は何をしてるんですか?」
- 「何の映画を見たんですか?」
1つめは、話題をまるごと切り替える質問です。 悪い質問ではありませんが、相手が出してくれた「映画」の話は、そこで終わってしまいます。
2つめが追いかけ質問です。 相手の答えの中から1つ拾って、そこをもう少したずねています。
質問が続かないと悩む人ほど、次の質問を「自分の頭の中」から探しがちです。 でも、次の質問の材料は、たいてい相手の答えの中にもう入っているんです。
研究でわかっていること、わかっていないこと
この話のもとになっているのは、Huangさんたちの研究チームが2017年に発表した研究です。 心理学の学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』に載っています。
この研究で報告されているのは、次のような結果です。
- 質問を多くする人、とくに追いかけ質問をする人ほど、会話の相手から好かれやすかった
- スピードデーティング(短い時間で何人かと順番に話すイベント)では、追いかけ質問を多くした参加者ほど、相手から2回目のデートにOKをもらえることが多かった
- スピードデーティングで2回目のOKとつながっていたのは追いかけ質問だけで、ほかの種類の質問ではつながりが見られなかった
ただ、この結果にはひとつ大事な注意書きがついています。 スピードデーティングの結果は「そういう傾向が見られた」という相関の結果で、論文の中でも、因果関係とまでは言えないとはっきり書かれています。 また、その人がもともとどれくらいモテるかを考えに入れると、影響は小さくなっていました。 なので「追いかけ質問をすれば、必ず次のデートにつながる」とは言えません。
では、なぜ追いかけ質問が好かれやすさとつながっていたのか。 論文が仕組みとして示しているのは、相手が「この人はちゃんと聞いて、理解して、気にかけてくれている」と感じることでした。 だから、質問のうまさより、「さっきの映画の話、覚えててくれたんだ」と思ってもらえるかどうか。 見てほしいのは、そこなんです。

次の会話から使える、追いかけ質問の3つの形
ここから先は、研究ではなく、わたしが「こうすると楽かも」と思っている形です。 「もう一歩」と言われても、とっさには出てこないもの。わかります。 なので、形を3つだけ持っておくと楽になります。
1. くわしく聞く
相手の答えの中の言葉を1つ拾って、中身をたずねる形です。
相手「最近、料理を始めたんです」 あなた「いいですね。最近はどんなものを作ってるんですか?」
2. 気持ちを聞く
出来事そのものではなく、そのとき相手がどう感じたかをたずねる形です。
相手「先月、ひとりで京都に行ってきました」 あなた「ひとり旅、いいですね。ひとりで行ってみて、どうでした? 気楽でした?」
3. その先を聞く
話の続きや、これからのことをたずねる形です。
相手「いま資格の勉強をしていて」 あなた「すごい。試験っていつごろなんですか?」
LINEやアプリのメッセージでも、考え方は同じです。 相手の返信の中から1つ拾って、そこにだけ質問を置きます。
料理始めたって言ってたの、なんかいいなと思った。最初に作ったのって何?
京都ひとり旅いいなあ。いちばんよかったところ、聞いてみたい
2つめのように、質問の形になっていなくても「もう少し聞きたい」が伝われば、それも追いかけ質問の仲間です。
質問攻めにならないために、気をつけたいこと
追いかけ質問は便利ですが、続けすぎると面接のようになってしまいます。 研究の考察でも、質問が多すぎたり、自分のことを話さなかったりすると、好感が下がるかもしれないと触れられています。 これは検証した結果ではなく、可能性の指摘です。 それでも、気をつけておいて損はないはずです。
1. 質問の前に、反応をひと言はさむ
「へえ、いいな」「それは大変そう」のような反応を、質問の前に置いてみてください。 反応があると、相手は「聞いてもらえている」と感じやすくなります。 質問だけを続けると、確認されているような気持ちになりやすいんです。
2. 同じ話題を深掘りするのは、目安として2回まで
1つの話題で何度も「それで?」「なんで?」と聞くと、相手は少し疲れてしまうことがあります。 2回くらい追いかけたら、自分の話を少し出すか、別の話題に移ってみてください。
3. 答えにくいところまで掘らない
ありがちなNG例を1つ挙げておきます。
相手「前の職場、けっこう大変で辞めたんです」 NG「何が大変だったんですか? 人間関係ですか?」
なぜNGかというと、相手がまだ話したくないかもしれない部分に、いきなり踏み込んでいるからです。 こういうときは「そうだったんですね。いまのお仕事は、前より落ち着いてますか?」のように、相手が答えやすい方向へ追いかけるほうが安心です。
相手が乗ってこないときは、深追いしない
追いかけ質問をしても、返事がずっと短いままのこともあります。 「聞き方が悪かったのかな」と、自分を責めてしまう気持ち、よくわかります。 ただ、質問のしかたは会話をしやすくする工夫であって、相手の気持ちを動かす方法ではありません。
目安として、一言だけの返事が2回続いたら、その話題はそこまでにしてみてください。 LINEやアプリなら、次に送るのは相手から返事が来てから。 返事を待つあいだに質問をもう1通足すのは、なしにしておきましょう。
相手にもその日の気分や、忙しさがあります。 今回はうまくかみ合わなかっただけで、あなたの聞き方に価値がなかったわけではありません。 「相手の答えの中に、次の質問がある」という見方は、次の誰かとの会話でもそのまま使えるはずです。
初デートのあとに送るLINEの具体的な文例は、こちらのnoteでくわしく書いています。 note の記事を読む
出典・参考文献
- Huang, K., Yeomans, M., Brooks, A. W., Minson, J., & Gino, F.(2017)「It Doesn't Hurt to Ask: Question-Asking Increases Liking」Journal of Personality and Social Psychology 113(3), 430–452. doi.org/10.1037/pspi0000097
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