恋愛心理

連絡が途切れるのはなぜ? ゴースティングする側の心理

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図解・イラストはAIを使って作成しています。

昨日まで普通にやりとりしていたのに、ある日から返事が来なくなる。 既読のまま、あるいは未読のまま、何日も止まっている。 「何か悪いことを言ったのかな」と、過去のトークを何度も読み返してしまう。

まず、そうやって考え込んでしまうのは、あなたが弱いからではありません。 理由を言われないまま連絡が途切れると、人は答えを探し続けてしまうものなんです。 それに、連絡を断つ側の心の中には、「はっきり断って傷つけたくない」という気持ちが混ざっていることがあります。

心理学の研究でも、連絡を断つ側にそうした気持ちが含まれていることが報告されています。 そして、連絡を断たれた側は、その気づかいを実際より小さく見積もりやすい、という結果も報告されています。 ただし、それは「待てば戻ってくる」という意味ではありません。

理由を言わずに連絡を断つことを「ゴースティング」と呼びます

ゴースティング(ghosting)は、説明をしないまま連絡を断って、関係を終わらせることです。 幽霊のようにふっと消える、というところから来た呼び方です。

アプリでのやりとりだと、こんな形で起きることが多いはずです。

  • メッセージが既読のまま、何日も返事がない
  • 次の約束の話をしたところで、ぱったり止まる
  • 1回会ったあと、お礼のLINEに返事が来ない

どれも、相手から「ごめんなさい」とも「もう会えません」とも言われていません。 だからこそ、「嫌われたのか」「忙しいだけなのか」「何か失礼をしたのか」と、答えの出ない問いがぐるぐる回ってしまうんです。

連絡を断つ側には「傷つけたくない」気持ちも含まれていた

この現象を調べたのが、ParkさんとKleinさんが2024年に発表した研究です。 心理学の学術誌『Journal of Experimental Psychology: General』に載っています。

この研究は、恋愛だけを扱ったものではありません。 家族、友だち、仕事、恋愛と、いろいろな関係を対象にしています。 8つの実験(ほかに予備的な研究が3つ)で、シンガポール・イギリス・アメリカ・西ヨーロッパの約1,570人を対象に行われました。

わかったことのひとつが、連絡を断つ側の気持ちです。 連絡を断つ側には、「はっきり断ると相手を傷つけてしまう。それを避けたい」という気持ちも含まれていたそうです。 相手を思う気持ちが強い人ほど、むしろ連絡を断つほうを選びやすい、という結果も報告されています。

もちろん、それだけではありません。 研究では、相手のためだけでなく、自分のための理由も同時にあると述べられています。 相手を思う気持ちと、自分を守りたい気持ち。 その両方が混ざって、「何も言わずに離れる」という形になることがあるんです。

図解

断たれた側は、相手の気づかいを小さく見積もりやすい

そして、この研究がいちばん伝えたかったのは、実はこちらなんです。 連絡を断たれた側は、相手が持っていた気づかいを、実際より小さく見積もりやすかったんです。

返事が来ないと、「自分は雑に扱われた」「どうでもいい存在だったんだ」と感じてしまいます。 返事のないトーク画面を見ていたら、そう思ってしまうのも無理はないんです。 でも、研究の結果から見ると、その受け取り方は事実より少し厳しめに出ている可能性があります。

だから、「返事がない=あなたを軽く見ている」と決めつけなくて大丈夫です。 相手なりに、傷つけない終わらせ方を選んだつもりだったのかもしれません。

ひとつ添えておくと、この研究は「ゴースティングはやさしい行為だ」と言っているわけではありません。 理由を言われない側がつらいのは、変わらないことです。 あくまで「相手の気持ちを、実際より冷たく想像しやすい」という見積もりのズレの話として受け取ってください。

「気づかいがあった」と「また戻ってくる」は別の話です

ここで、気をつけてほしいことがあります。 相手に気づかいがあったかもしれない、と知ると、「じゃあ、まだ脈があるのかも」と思いたくなります。 そう思いたくなる気持ち、わたしは責められません。

でも、研究が示しているのは、連絡を断つ理由の中に「相手を傷つけたくない」が含まれている、ということです。 裏を返すと、相手は「はっきり断る代わりに」連絡を断っている可能性があります。 つまり、返事がないこと自体が、相手なりの答えになっていることがあるんです。

だから、この研究は「待てば戻ってくる」根拠にはなりません。 使い方としては、次のように考えてみてください。

  • 自分を責めすぎないための材料にする
  • 相手を責めすぎないための材料にする
  • 「追いかける理由」にはしない

相手の気持ちを想像するヒントにはなっても、相手を動かす材料にはならないんです。

返事が来ないあいだに、あなたができること

とはいえ、知っただけで気持ちが静まるわけではありません。 夜になると、また過去のトークを開いてしまう。 ここから先は研究ではなく、わたしが「これなら少し楽になるかも」と思っている方法です。

1. 原因探しを「1回だけ」にする

過去のトークを読み返したくなったら、1回だけ読み返して、気になったことをメモに1行書いてみてください。 「次は、返信が遅れるときにひと言添える」くらいの小ささで十分です。 それ以上は、読み返さないと決めておきます。

理由を言われていない以上、トークの中から正解を見つけることはできません。 何度読んでも、答えのない問いに夜を使ってしまうだけなんです。

2. 相手のSNSを見に行かない

「更新しているのに、自分には返事がない」と確かめても、つらさが増えるだけになりがちです。 気になってしまうなら、相手のアカウントをしばらくミュートにして、タイムラインに出てこないようにしておくのも、ひとつの方法です。

3. ほかのやりとりや予定に、時間を戻す

返事を待つ時間が長いほど、その相手が頭の中で大きくなっていきます。 アプリのほかのやりとりや、友だちとの予定、自分の趣味に、少しずつ時間を戻してみてください。 相手を忘れようと頑張るより、ほかのことに時間を使うほうが、気持ちは切り替わりやすいはずです。

追わないと決めるライン(引き際)

最後に、どこで止まるかの話です。

返事がないまま、こちらから送るのは合計2通までにしてください。 2通目を送るなら、1通目から3日以上あけて、理由を聞かない軽い内容にします。 2通目にも反応がなければ、そこで終わりです。 1通目のあと、目安として1週間ほど反応がなければ、2通目は送らずに、そこで区切りをつけてください。

次のことは、しないでおいてください。

  • 「どうして返事くれないの?」と理由を問いただす
  • 電話をかける、別のSNSやアカウントから連絡を取りにいく
  • 返事がないのに、間をあけずに何通も送る

どれも、相手をさらに追い詰めてしまいます。 そして、あなた自身も「返事が来るか」を待ち続ける時間から抜け出せなくなってしまいます。

止まるのは、負けではありません。 相手が言葉にできなかった答えを、あなたの側で受け取ってあげる。 それができるのは、ちゃんと相手を見ていた人だけなんです。

返事が来なかったのは、あなたに価値がなかったからとは限りません。 その気持ちだけは、次の出会いにも持っていってほしいと思っています。

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出典・参考文献

  1. Park, Y., & Klein, N.(2024)「Ghosting: Social Rejection Without Explanation, but Not Without Care」Journal of Experimental Psychology: General 153(7), 1765–1789. doi.org/10.1037/xge0001590

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